韓国の鬼才キム・ギドク監督作品10選

韓国映画でヒット作を次々と作り出すキム・ギドク監督。韓国映画界最高の栄誉である大鐘賞と青龍賞の作品賞を受賞するなど、韓国映画界の巨匠とも言われている。監督作品だけでなく、脚本・製作などで多くの作品に携わっている。そんな彼の名作10選を選んでみました。

1.うつせみ(2004年)


キム・ギドク監督によるミステリアスな青年と人妻の逃避行の物語。劇中一切のセリフがないのが特徴の作品。孤独な人妻役にはイ・スンヨンが抜擢された。


【あらすじ】テソクはチラシ配りの仕事をしながら、空家を見つけている。空き家を見つけると、テソクはそこでしばらく住むという生活を送っていた。

ある日、テソクは一軒の空家に忍び込む。いつものように生活をしようとすると、そこには人妻のソナがいた。ソナはあざだらけで、明らかにその家の主人から暴力を受けていることが分かる。テソクはソナを外に連れ出し、逃避行を開始する。二人がある空家に入って、生活をしようとすると、死体があった・・・。

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2.弓(2005年)


キム・ギドク監督が手掛ける老人と少女のドラマ。チョン・ソンファン、ハン・ヨルム、ソ・ジソクらが出演。ヨーロッパの映画祭を中心に高評価を得ている。


【あらすじ】海の上に浮かぶ一隻の船があった。その船には、老人と少女が二人で暮らしている。少女は10年前から、この老人と一緒にいるのであった。老人はこの少女が17歳になったら、結婚する計画を立てている。

ある日、船に青年がやってくる。今ままで恋を知らないで生きてきた少女が、その青年に会うと老人を差し置いて、惹かれていってしまう。

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3.サマリア(2004年)


援助交際をする2人の女子高生の物語。キム・ギドク監督が描く独特の世界観に注目したい。クァク・チミン、ソ・ミンジョンが10代の揺れる姿をリアルに演じる。


【あらすじ】女子高生のチョヨンとヨジンは親友の間柄だ。チョヨンは援助交際をして、見知らぬ男から金を稼いでいた。ヨジンはいつも見張り役をしている。

ある日、ヨジンは見張りを怠り、チョヨンが援助交際をしているホテルの部屋に警察に乗り込まれてしまう。チョヨンは警察から逃げようとして、窓から飛び降りる。そのままチョヨンは死んでしまう。彼女が死んだことに責任を感じたヨジンは、援助交際をした男に会いに行く。

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4.嘆きのピエタ(2004年)


天涯孤独に生きてきた借金取りの男のストーリー。彼の前に、突然母親と名乗る女性がやってくる。生まれて初めて母の愛を知るが・・・。


【あらすじ】ガンドは極悪非道の借金取り立て屋として生きてきた。その取り立て方法は手段を選ばず、誰からも恐れられている。孤児として生きてきたガンドにとっては、そうやって生きていくしかなかったのだ。

ある日、ガンドの前にミソンが現れる。ミソンは、ガンドに「私はあなたの母親だ」と言うのであった。現れた女の言葉に、困惑するガンド。どうしてもミソンが母親だと信じることができない。ガンドはミソンと一緒に生活を始めるが、突然ガンドの前から姿を消してしまう。

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5.メビウス(2013年)


韓国の鬼才キム・ギドクが壮絶な一家を描く過激作。セリフは一切なしの作品であることも話題となった。笑いや泣きなどの感情のみでストーリーを表現している点に驚かされる。


【あらすじ】父・母・息子の3人が暮らすとある一家。母は父の浮気を知ってしまい、不満を溜めていた。当然、家族関係は冷え切っている。母は息子が寝ているベッドに忍び込み、性器を切り取ってしまう。夫はそのことを知り、苦悩する。その後、自ら、自分の性器を切り取り、息子のために生きようとする。

性器を切り取られた息子は自信をなくし、女性と付き合っても上手くいかない。父親は達成感を味わえない息子に、ある方法を教える。だが、家族の崩壊は更に進んでいく。

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6.ブレス(2007年)


キム・ギドク監督の第14作目の『ブレス』。自殺願望のある死刑囚と、一人の主婦の偶然の出会いから始まる関係を描く。チャン・チェンが死刑囚役に抜擢された。


【あらすじ】死刑囚チャン・ジンは、自分の刑の執行が近いと感じていた。ある日、ジンは刑務所内で自殺を図る。だがジンは、死ぬことは出来なかった。

すると、ジンに見知らぬ女ヨンが面会にやって来る。それから季節毎にヨンはジンに会いにくるようになった。ただ死を待つ身のジンにとっては、ヨンのことなど気に留めていなかった。ヨンはジンに贈り物をするようになっていた。そんなジンの姿に、ヨンは次第に心を開いていく。

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7.アリラン(2011年)


キム・ギドク監督自身によるドキュメンタリー映画。隠居生活をする上で、抱えている悩みをさらけ出す。世界的映画監督が孤独である理由とは!?


【あらすじ】韓国の鬼才という異名を持つ映画監督キム・ギドク。1年に1本ペースで映画を撮っていたキム・ギドク氏が、突然姿を消し、山の一軒家で隠居生活をしていたのであった。カンヌ、ベルリン、ヴェネチアと世界三大映画祭を制覇した名監督が、「今、映画を撮れない」と語り出す。ギドク氏が映画を撮れなくなった理由は、仲間の裏切り、撮影中の事故、自身の評価の低さなど様々な要因があった。名声を得たはずの監督が、葛藤に苦しんでいた。

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8.The NET 網に囚われた男 (2016年)


南北の分断をテーマに、一人の漁師の悲劇を描いた本作。家族の元に帰ることだけを願う、漁師のリアルな内面が切ない。韓国映画界の巨匠キム・ギドク監督による社会派ヒューマン・ドラマだ。


【あらすじ】北朝鮮の漁夫であるチョルは、妻子と平穏な日々を送っていた。ある日、モーターボートで漁に出たチョルは、ボートが故障してしまい、韓国側に流れてしまう。韓国警察によって拘束されてしまうチョル。警察は、チョルをスパイだと思い、拷問などを加える。

しかも、韓国への亡命も強要されてしまう。妻子が待つ北朝鮮へ戻りたい思いから、必死に耐え続けるチョル。チョルは、この韓国を脱出し、北朝鮮へ戻ることは可能なのだろうか。

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9.殺されたミンジュ(2014年)


韓国映画界の巨匠キム・ギドク監督の作品。ソウル市内で起きた殺人事件。動き出す謎の7人組の正体は一体・・・。


【あらすじ】ソウルで、少女ミンジュが何者かに殺されてしまう。大都市であるソウルは、何も影響がなかったかのように思える。

1年後、7年組の謎の集団が男を誘拐する。男を誘拐すると拷問し、自白を強要していく。その後も、次々と誘拐をしていくのであった。

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10.映画は映画だ(2008年)


ソ・ジソブとカン・ジファン主演のアクション映画。韓国映画界の鬼才キム・ギドグ監督が、俳優とヤクザの男の交流を描く。2人のファイトシーンは必見。


【あらすじ】ヤクザになりたいと思っている俳優・スタは、ファイトシーンの撮影で、いつも本気で相手役を殴ってしまう。そのせいで、スタの相手役がいなくなってしまっていた。高級クラブでスタは、映画俳優になりたいと思っているヤクザ・ガンペと出会う。スタはガンペに「映画に出ないか」と誘う。ガンペは相手役を引き受け、ファイトシーンで思いっきり殴ってこいと言う。撮影時、スタはガンペに本気で殴りかかるが、あっという間にやられてしまう。

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キム・ギドク監督とは?


出典:wiki/キム・ギドク

キム・ギドク監督は韓国映画界を代表する巨匠。韓国の”北野武”とも呼ばれた。韓国映画界で最高栄誉とされる大鐘賞と青龍賞をはじめとしてベルリン国際映画祭銀熊賞 (監督賞)、ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞 (監督賞)、カンヌ国際映画祭ある視点賞、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞などを受賞している。近年は女優に対する暴力事件が告発され罰金の略式命令を受けた。その後もセクハラ、性的暴行などの問題が発覚し係争するなどしている。韓国国内ではミートゥー運動もあり大きく評価を下げている。妻とも離婚訴訟中。

1960年慶尚北道 生まれの58歳。家計が苦しく小学校卒業後に農業学校に進学したため、最終学歴は小卒または中卒相当とされる。就職も思うようにならず工場で働きながら工業技術を学ぶなどした。学力については劣等感を持っており、生活のために海兵隊に志願入隊し5年間軍隊に服務した。除隊後はフランス・パリにて独学で絵画を勉強。その後、不慣れなフランスの地で無名画家としての将来に疑問を感じ、映画にのめり込むようになる。1993年に韓国に帰国。95年に低予算映画「ワニ」で映画監督としてデビューした。表現面では「暴力」と「女性」がテーマとなっている作品が多い。製作期間は短いことで有名。低予算でも優れた表現を行い鮮やかに人間を描いていく能力は画家出身だからこそともいえる。