韓国映画ドキュメンタリー作品まとめ

脱北民や慰安婦などその人の半生を追った韓国ドキュメンタリー作品を紹介します。監督たちが長年密着取材を行い一本の映画にまとめた作品はどれも感動を呼びます。どれも力作と呼ぶにふさわしい作品です。ぜひご覧ください。

風景

フィリピンやバングラデシュなどアジアから韓国に移民してきた人たちを追ったドキュメンタリー。チャン・リュル監督が人々の生活に密着して取材した。

【あらすじ】韓国には毎日アジアから出稼ぎにやって来る人たちがいる。その人たちの思いは様々で外国で一旗揚げようと夢見てくる人がほとんどだ。彼らの生活は様々で梨泰院のイスラム寺院や朝鮮族タウンで暮らしている。木材工場や染色工場で大変な仕事をしている者もいる。だが現実は厳しく当初描いた夢が叶わず苦しんでいる人もいるようだ。そんな彼らにもう一度韓国見た一番の夢は何なのかを聞いてみることにした。その答えは意外なものだったのである。

渚のふたり

共に障害を負った一組の夫婦を追ったドキュメンタリー映画。イ・スンジュン監督がこの夫婦の生活に2年間密着し作品に仕上げた。心を通わせる一途な夫婦の愛が描かれている。

【あらすじ】ソウル郊外に住む一組の夫婦がいた。夫ヨンチャンは幼い頃から視力と聴力が不自由だ。妻スンホは子供の頃の怪我のせいで脊椎障害で少し背が小さい。だが二人は周囲が羨むほどの仲良し夫婦であった。ヨンチャンとスンホの会話は点話を使う。点話で二人はお互いの思いを伝えていたのである。幸せに見える二人だがヨンチャンには悩みがあった。将来、スンホが病気になったらどうするのかということである。いつも二人で出かけているがいつかは一人で出かけられるようにならなくてはと思うのだった。

沈黙-立ち上がる慰安婦

韓国の支援団体から独立し「被害者の会」を作り行動し始めた元慰安婦の様子を追ったドキュメンタリー。パク・スナム監督が長期間に渡る取材の末一本の作品にまとめ上げた。

【あらすじ】イ・オクサンは90歳になるおばあちゃんだ。人里離れた韓国の村で一人で住んでいる。毎朝お寺に通うのが日課の熱心な仏教徒でもあった。オクサンは17歳の時日本軍に連れられて慰安婦となる。1994年戦後からまもなく50年が経とうとしている頃、オクサンは仲間と共に日本へやって来る。日本政府に公式謝罪と個人補償を求めてのことだった。これまでオクサンは自分が慰安婦であったことを誰にも言えずに過ごしてきた。「被害者の会」を立ち上げたオクサンは自分が経験してきた事を語り始める。

危路工団

1970年代から2000年代までのアジア人労働者の実態に迫ったドキュメンタリー映画。苛酷な労働現場の実態が浮かび上がる。労働者の権利に目を向けた作品である。

【あらすじ】朝鮮戦争後、韓国は目覚ましいほどの経済発展を遂げた。その原動力となったのは1970年代から始まったアジアからの出稼労働者たちだ。彼らは航空会社の女性客室乗務員やコールセンターで働くなど韓国経済を支える欠かせない存在となった。しかし、それらの職場で横行していたのは長時間労働と残業代未払いという劣悪な環境だ。労働者の権利であるストライキをしようにも彼らには労働組合がない。過重労働の末、命を絶ってしまう者までいるほどだ。雇用者側は彼らを安くこき使うことしか考えていなかったのである。

パーティー51

ソウル・弘大で活動する音楽家と立ち退きを命じられた食堂を守るため行動するドキュメンタリー。韓国社会の発展の影で犠牲になる人に焦点を当てた作品で問題提起をしている。

【あらすじ】若者たちが集まるソウル弘大(ホンデ)。将来はスターになることを夢見るインディーズバンドの面々が活動している。だが弘大は都市開発の煽りを受けてライブハウスが減り彼らが活動できる場所が無くなってきていた。そんな中、バンドメンバー達はうどん屋「トゥリバン」を切り盛りするオーナー夫婦と出会う。オーナー夫婦は弘大で長年店を経営してきたが都市開発のせいでうどん屋の立ち退きを命じられていたのである。都市開発工事が進む中、メンバー達は「トゥリバン」の中に立てこもる。「トゥリバン」を守るためライブを毎日開催するのであった。

ダイビンベル

旅客船「セウォル号」沈没事故の救助活動に密着したドキュメンタリー映画。マスコミが救助活動成功と流す提灯記事の裏で難航していた救助活動の実態が明らかになる。

【あらすじ】2014年4月16日、旅客船「セウォル号」が珍島(チンド)付近で沈没した。乗員・乗客 476人の安否は分からないままだ。イ・サンホ記者は「セウォル号」の救助活動を取材しようと現場に向かう。テレビを中心とした大手メディアでは乗客の全員救助などのニュースを流しているが実際に救助されたという情報がサンホには入ってこなかった。実際にサンホが現場に着くと、状況は全く違っていたことに驚く。民間のダイバーが行方不明になったり悪天候のため作業が中断されたりとはっきり言って救助活動は進んでいなかったのである。サンホは思いもよらなかった現実を知り途方に暮れるのであった。

マイ・プレイス

海外から韓国への逆移住をした一家の様子を追ったキュメンタリー。パク・ムンチル監督の妹を中心に構成されている。言い争いなどをしながらも家族としての絆を深めていく様子が心温まる。

【あらすじ】カナダへ移住していたあるパク・ムンチル一家がいた。その一家はカナダでの生活に区切りをつけ韓国に戻る決断をする。韓国に久しぶりに帰ってきて祖国での生活を始めて行く。ムンチルの妹は妊娠をしていた。その後、妹は子供を授かる。しかし、父親がいないシングルマザーであった。ムンチルの父は妹がシングルマザーで出産を決意したことを良く思っていない。事ある毎に妹に文句を言い対立が深まっていった。儒教社会の韓国ではシングルマザーという概念を父は受け入れることができない。だが赤ちゃんが健康に育っていくのを見て父も考えを改めるようになる。

ミスター・カンパニー

新しいファッション会社の成長を追ったドキュメンタリー作品。ハードな仕事の連続で社員のモチベーションは下がり空中分解寸前の危機となる。この危機にどう立ち向かうことができたのかその一部始終を撮影している。

【あらすじ】キム・ジナとキム・バンホはファッション業界の古い体質を改めるべく自分達の会社「オルグダッ」を企業する。彼らの元には新しいファッション会社を作りたいという志を持った者が集まった。しかし、仕事は激務で夜勤も続き社員たちのモチベーションは下がっていく。それに加えて給料未払いも起き会社は危機を迎える。ジナは何とか会社を立て直そうと考え社員にもっと仕事量を求めようとした。バンホは社員のリストラを考える。このような会社のトップの考えが社員に伝わり社内は険悪な雰囲気になる。

不安な外出

学生運動を行ったため国家保安法違反で逮捕された男の生き方を追ったドキュメンタリー。キム・チョルミン監督が不都合な人生を送る一人の男性に焦点を当てている。

【あらすじ】ユン・ギジンは大学生の時に学生運動を行っていた。そのため逮捕され5年に及ぶ刑務所暮らしを送ることになる。刑期を終えて出所したギジンは妻と平和に暮らすことを夢みていた。ギジンはこれまで妻と過ごせなかった時間を取り戻すかのように旅行に行ったりして思い出を作っていく。ギジンの心の拠り所となっているのは可愛い2人の娘だ。2人の娘が成長するまでしっかりと見届けたいとギジンは考えるようになる。ある日、警察がギジンを起訴し幸せな時間は終りを告げてしまう。ギジンが獄中で書いた手紙が問題があるということになった。裁判も始まりギジンはまた刑務所に入れられるのかと怯えるようになっていく。

蜘蛛の地

米軍基地近くの村で暮らす3人の元売春婦の生活を追ったドキュメンタリー。キム・ドンリョン監督が社会から目を向けられない存在の人たちにスポットライトを当てた。「第17回釜山国際映画祭」と「第15回ソウル国際女性映画祭」で上映された作品。

【あらすじ】ソウルの北西部に米軍キャンプ地がある。無造作に置かれた墓を通り過ぎ森を抜けると廃墟寸前の村がある。この村はヘリの爆音が絶えず響き砲音が聞えてくるのであった。ここは旧歓楽街であった場所で3人の元売春婦が住んでいる。パク・ミョヨンはハンバーガー店を切り盛りしている。パク・インスンは古紙に絵を描いて毎日を過ごしている。アン・ソンジャはハンバーガーを食べながら昔の友人のことを思い出し感慨にふけっていた。ひっそりと日の当たらない場所で暮らす3人の女性たちは今日もこの場所で生きているのだ。

行動する良心、金大中

韓国第15代大統領金大中の没後10年に制作されたドキュメンタリー映画。金大中大統領の功績が伝わってくる感動作だ。彼の偉大さがヒシヒシと伝わってきます。

【あらすじ】金大中(キム・デジュン)は何度も命の危険が及ぶことがあった。交通事故では足を怪我して瀕死の重傷を負う。時代が軍事政権で彼を擁護する者はなく刑務所に入れられ死刑囚にされたこともある。彼がここまで排除されようるようになったのは常に民主主義を求めて戦っていたからだ。民衆が国を動かし金大中は大統領になった。大統領になった彼はIT産業促進や日本文化開放などに取り組む。平壌に訪問し金正日との南北首脳会談を成功させた。

緑茶の重力

チョン・ソンイルが韓国映画界の巨匠イム・グォンテクを追ったドキュメンタリー作品。映画監督同士のピンと張り詰めた緊張感が伝わってくる。表舞台に出ないイム・グォンテクの素顔が垣間見えるのは貴重だ。

【あらすじ】映画監督のイム・グォンテクは韓国映画界の巨匠と称される人物だ。1962年に第1作目の映画を発表してからこれまでの監督作品は101作品になる。こんなに多くの監督作品をこなしたのは彼の他には未だいない。チョン・ソンイルは彼が住む光州市を訪れる。グォンテクは101作目を発表してから102作品目は発表していない。撮影を開始したという情報も入ってこない。ソンイルは102作目はグォンテクの自伝作品にして欲しいと伝える。しかし、グォンテクはソンイルの提案をなかなか受け入れようとはしない。

猫の執事

猫の世話をしている人の生活をそれぞれ追ったドキュメンタリー作品。女優イム・スジョンが猫の視点に立ってナレーション参加している。イ・フェソプ監督が春川(チュンチョン)や城南(ソンナム)、釜山(プサン)などで密着撮影を行った。

【あらすじ】韓国各地にのら猫を世話する人たちがいる。バイオリオン店のオーナーは猫「レッド」の世話をしていた。オーナーは暑い日は猫が夏バテしないように日陰の場所を作ってあげている。鷺梁津水産市場の商人は市場に行く時はいつも一匹の猫と一緒だ。その仲睦まじ姿は商人の友人であると思えてくる。中華料理店の店長もある日に見つけた野良猫の世話をしていた。いつもは人気メニューのジャージャー麺を配達しているが猫を飼っている人用の猫の弁当を配達している。彼らはまるで猫の執事であると言えるであろう。

ポーランドへ行った子どもたち

朝鮮戦争時にポーランドへ送られた戦争孤児とその世話をしたポーランド教師に焦点を当てる。戦争期間中に約1200人以上の孤児たちがポーランドに渡った。チュ・サンミ監督が歴史の闇に埋もれた真実を追う。

【あらすじ】1951年、朝鮮戦争は激しさを増していた。北朝鮮内では親を失った孤児たちで溢れるようになっている。このような戦争孤児を北朝鮮は密かにポーランドへ送る。ポーランドへ送られた孤児は孤児院で生活をするようになった。孤児を受け入れたポーランド教師は分け隔てなく自分の子のように育てる。孤児たちはポーランドという異国での生活にも慣れ伸び伸びと過ごす。朝鮮戦争休戦後、孤児たちは祖国を北朝鮮に戻される。北朝鮮に戻された孤児たちの行方は分からないままとなってしまい教師達は途方に暮れる。

ファールボール

独立球団「高陽ワンダーズ(コヤン・ワンダーズ)」の設立から解散までの1093日間を追ったドキュメンタリー映画。プロ野球選手になるという男たちの熱い夢が伝わってくる作品。

【あらすじ】韓国プロ野球界はスター選手になれば高年俸が貰えるなど夢がある世界だ。しかし、そんなスター選手になれるのはほんの一握り。キム・ソングン監督はプロ野球選手になりたいという者の夢を叶えるため韓国球界初の独立球団「高陽ワンダーズ(コヤン・ワンダーズ)」を設立した。ソングン監督の元に集まったのは様々な背景を持つ男たち。チェ・ヒョンナムは元プロ野球選手でもう一度夢を掴みたいと思っている。その他にもドライバーやトレーナーなど普段は違う仕事をしている男たちが集結した。ソングン監督は練習を開始する。だがプロレベルには程遠いレベルだった。

福島の未来 0.23μSv

福島第一原発事故が風化されていく中、17人の市民が同様の事故を起こしたチェルノブイリ原子力発電所を訪れる。取材カメラが彼らに同行したドキュメンタリー作品だ。イ・ホンギ監督が福島の人々のリアルな生活に迫っている。

【あらすじ】2011年3月、福島第一原発事故が起きる。この事故が起きてから原発周辺に住む住民たちの生活は変わってしまった。おばあちゃんはこの町で将来生きていかなければならない孫のことを心配している。妊婦はお腹にいる子供に放射能の影響が出たらどうしようかと悩んでいた。ある住民は放射能測定器が手放せない日常が当たり前のようになってしまっている。1986年に旧ソ連でチェルノブイリ原子力発電所爆発事故が起きていた。その事故から30年以上が経過した今でも解体作業が続いている。17人の市民たちはチェルノブイリを訪れ放射能被害の恐ろしさを目の当たりにするのであった。

きらめく拍手の音

耳が聴こえない夫婦の出会いから子育てを追ったドキュメンタリー。差別や偏見に負けず前向きに生きていく夫婦の姿がそこにある。イギル・ボラ監督自身の両親を中心に撮影した作品となっている。

【あらすじ】青年はサッカー選手になりたかったが耳が聴こえないため夢を諦めていた。ある日、青年が教会に行くと一人の女性に一目惚れをする。その女性も青年と同じく耳が聴こえなかった。二人はその後結婚し2人の子供を授かる。子供達の泣き声が聞えない夫婦は子育てが大変であった。夫婦は一時も子供から目を離すことができない。子供達には幼少の頃から手話を覚えさせ会話をしてきた。しかし、子供達は耳が聴こえることが分かり夫婦は喜ぶ。やがて子供達が成長し独立する時期に差し掛かっていた。子供に対しての心配は抜けないが背中を後押しする時が来ていたのである。

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